【だらだらエッセイ】54歳。なれるのかドローンパイロット

【だらだらエッセイ】54歳。なれるのかドローンパイロット

ドローンパイロットを目指す日々を徒然なるままに…(疲れたら愛車ジュリエッタのことも時たまに)

5. トイドローン激突の巻

 

トイドローン購入!

 

2018年4月22日、ついに、トイドローン Holy Stone(ホリーストーン) マルチコプター HS170 モード1が届きました。

妻は、何だかまた変なことやり出したと言う目で私を見、そしてそのまま声にも出してました。

ドローンを調べてるとは伝えていたものの、無料講習会に参加した(しかも2ヶ所も)ことは言っていなかったので、突然購入したように思ったのかもしれません。

 

安かったことと、子供用のおもちゃであることを力説して警戒感を薄めることに努めた次第です。

特に悪いことをしているわけではないと思おうのですが、意外と必死に共感を得ようとしている自分がそこにおりました。

 

しかし、開封しながら、

『フフフ。俺の飛行テクニックに驚くなよ。

「初めてなのに何故そんなに上手なの?」なんて発言もあと数分後だ。

「オレって才能あるのかなぁ〜。」

なんてあまり気合が入っていない風で答えようかなぁ』

など考えながら一人ニヤつく私でした。

 

Holy Stone(ホリーストーン) マルチコプター HS170は、意外と定評のあるトイドローンのようで、Webでも色々な方が紹介しています。

 

↓たとえばこんな風に。(買った後とはいえとても参考になります)

 

ジャーン!私の機体はこん感じです。

f:id:keisuke320:20180818093240j:image

 

 

アレレ。トイドローンうまく飛ばないぞ!

 

さっそくリビングで初飛行です。

 

しかし、いきなり天井に激突!

「あれれ?おかしいな」 

気を取り直してエイッ! 

 

健闘虚しく全くうまくいきません。

壊れるんじゃないかと思うくらい激しく壁やら天井やらに激突しまくってしまいます。

 

「意外と難しいのね」「家壊さないでね」

 

当たり前といえば当たり前、自然な流れと言えは自然な流れの妻のこの言葉に、それとは全く違う展開を確信していた私にとっては、しみじみと寂しく哀しい言葉に感じました。

 

「やっぱり初めてだと難しいなあ〜」

 

これもまた全くもって自然といえば自然な流れの発言なのですが、この言葉を言わざるを得ない状況になってしまったことに関して、事情を知る唯一の人物「私」としては、返す返すも無念でなりませんでした。

 

そ〜なんですよ。

トイドローンがこれ程までに安定性がないとは予想だにしませんでした。

飛行体験の時の機体はGPSやらセンサーやらで非常に安定性の高いものらしいのですが、こんなに違いがあるとは思いませんでした。

 

『うーむ。才能があるとはいえ、さすがに初のトイドローンは苦戦するな。

冷静に考えれば、俺の人生でのドローン飛行時間はまだ10分くらいだから仕方ないって言えば仕方ないな。そこは素直に認めよう。

自分の今の力を見きる能力こそが成長の第一歩だからな。』

 

現状ほとんどなくなっているドローン操縦に関する才能への自信を、未来の可能性に目を向けることでなんとか繋ぎ止めたといった感じでしょうか。

 

 

自分の中の驕りの気持ち

 

『自分の中に“驕り”があったことは間違いないな。ホントに俺は懲りないなぁ。』

昔、私の驕った発言で妻に叱られたことありました。それ以来、“驕り”とその発言だけは気をつけようと思っていたのですが、なかなか性格はなおらないものですね。

 

『でもだいたい、なおしたいところ、とか努力目標、とかスローガンとかって、そもそもやってもやれないことにしがちなんだよねー。

<腹が減ったら飯を食おう>とか<右足だしたら左足出して歩こう>とかスローガンないもんな。』

 

『そう言えば、会社のスローガン確か、挑戦、革新、団結だったな。

もう4〜5年これだったけど、考えてみるとこのスローガンやばいかもね。

現実は、挑戦できない、革新できない、団結できないの3ない運動みたいだってことだからな。

 

そう言えばさらに最近、3つのションが大切だって言い始めてたよなー。

パッション、ミッション、アクションだったかな。

初めて聞いた時、どうせなら連れション加えて4つのションにすれば団結感出るのに残念だなぁって思っちゃったもんね。』

 

『そうそう、<やってみなはれ運動>みたいのもあったなー。

きっとネットか何かでサントリー創業者鳥井信治郎の記事見ちゃったんだろうなぁ。

でもうちの社長確か神奈川出身だったんじゃなかったかな。何で関西弁にしたんだろうか。その辺からインチキくさいよなぁ。

 

この運動始まりますって聞いた時、俺なんかピンと来たね、これヤバイ運動だなって。

社員のヤル気を自由に伸ばす、みたいなこと言ってたけど、自由じゃない雰囲気出してる当事者たちが言ってるんだからね。

でも真面目な若い社員は色々と提案しちゃってたなぁ。

提案しちゃった彼は、役員で構成される<やってみなはれ会議>で吊るし上げにあって散々な目にあったらしいからな。

本人曰く

「あれは、やってみなはれじゃなかったです。やれるもんならやってみなはれでした」って。

彼ユーモアあったよねー。

おっと、いかんいかん、いつのまにか脱線して第一生命サラリーマン川柳みたいな、悲惨な体験をユーモアに変えるみたいな話になってきちゃった。

とにかく“驕り”の心を戒め、初心を忘れずに頑張ろー。

 

まあでも考えてみたら、今回ドローン始めた初心が<褒められて才能があると確信した>だから、そもそも驕りスタートみたいな感じなんだよねー。

そう考えると驕りも悪いばかりではないとも言えるのかなー。

 

うーん、ちょっと疲れてきたからこれは今度ゆっくり考えることにしよう。』

 

 

ホバリングができません!

 

いつもながらの、結論の出ない、あーでもないこーでもないの思考はさておき、その日から地道な練習を始めました。

 

まずは基本中の基本、ホバリングからです。

ホバリングとは空中で上にも下にも左右にも動かずじっと留まっている状態のことです。

留まっているだけというと簡単に思えるかもしれませんが(私は簡単だと思ってました)、これが簡単なことではありませんでした。

言うなればインナーマッスルを鍛えるトレーニングのように、見かけはじっと動かないでいるのにもかかわらず、カラダにはかなりの負荷がかかっているという状態と言えるのです。

 

上下させようと思ったら、モード1だと右のスティックを上下させます。

左右を調整する時も同じく右スティックを、今度は左右させます。

f:id:keisuke320:20181023173438j:image

この時の私の場合、激しく上下する機体に合わせ激しくスティックを上下させるのですが、と同時に我がトイドローンは激しく左右にも揺れ動ごこうとするのです。

当然それを調整するためにこちらも激しく左右にも動かさなくてはならないので、もう上なんだか下なんだか左右なんだか、ちっともわからなくなるのです。

 

これが世に言う(誰も言ってませんが)トイドローン3次元攻撃なのです。

車の運転は結局2次元であることに改めて気づかされました。3次元がこんなにもツライとは。

これが1秒以内に、同時多発テロ的に、一気に襲いかかってくるので、「うわぁーうわぁー」などと言っている間に壁や天井に激突するのです。

 

 

ホントにホバリングできません!

 

悲劇はさらに続きます。

操縦不能のトイドローンは、当然、前後にも動こうとします。

今度は左側のスティックの出番です。

前後の調整は左スティックを上下させておこないます。

すると今度はどうしたことか、回転を始めるのです。

回転とは上から見たときに時計回りとか反時計回りの動きです。

この調整は左スティックの左右のの動きになります。

 

f:id:keisuke320:20181023173922j:image

調整とか書くと、勝手に動いたトイドローンをあたかも矯正しているかのように聞こえることでしょう。

しかし、後からわかったのですが、親指でスティックを上下させる時真っ直ぐ上下させておらず、親指の付け根を中心に弧を描くように外側に曲げており、調整どころか自ら回転の変な動きを加えていたのでした。

上記操作をすると、前後運動に円運動が加わってしまうのです。

 

右スティックもしかり、上昇しようと操作する時、無意識に右移動が加わっていたのです。

すなわち、もともと不安定な上に、それを矯正しようとする操作でさらに変な動きを加えていたということなのです。

 

 

神様は時おり乗り越えられない試練与えます

 

『無理だ〜。コリャ無理かもしれん。

ちょっくらちょいと操縦できるかと思っていたけどなぁ』

 

それはあたかも、釣りキチ三平が第6巻で毛鉤山人に、

「ちょっくらちょいと毛鉤の作り方を教えてくれよー」と発言をした時に、

「ちょっくらちょいと作れる毛鉤など私は知らん!帰れ‼︎」と恫喝された時のような、

漫画でいうと目が真っ白に描かれている状態になってしまいました。

f:id:keisuke320:20181020164316j:image

 

f:id:keisuke320:20190105105351j:plain

f:id:keisuke320:20190105105443j:plain

 

 

ホバリングという、その場に留まるだけの基本中の基本操作で早くも越えられないほどの壁を感じてしまった私は、本当にドローンパイロットになれるのでしょうか。

『神様は乗り越えられる試練しか与えないと言うが、私に限っては今までも結構越えられない試練があったように記憶しているからなぁ。今回もそれ来ちゃったかも』

 

とにかく練習あるのみです。