【だらだらエッセイ】54歳。なれるのかドローンパイロット

【だらだらエッセイ】54歳。なれるのかドローンパイロット

ドローンパイロットを目指す日々を徒然なるままに…(疲れたら愛車ジュリエッタのことも時たまに)

22. 第二級陸上特殊無線技士(二陸特)に挑戦の巻

ドローン検定が無事終わり、次は第二級陸上特殊無線技士(略して二陸特)です。

試験は2018年10月24日で、勉強始めたのはちょうど一ヶ月前の9月24日。ドローン検定試験終了後にあせあせと開始した次第です。

 

↓ドローン検定の話はこちらです。

 

 

 

意外と骨が折れるぞ二陸特!

 

ちょっと軽く考えすぎてました。何かで「二級と三級は中学生レベル」と読んだような気がしたんですよね。

一口に中学生レベルと言っても、それが開成や麻布だったとしたら、だらだらドローンおじさんが束でかかっても太刀打ちできないということを考えていませんでした。

案の定、参考書と過去問を見る限りかなり骨が折れそうなのです。

 

試験科目は「法規」「無線工学」の2科目で、各全12問、1問5点の60点満点で、合格は40点以上です。それぞれの科目で40点以上得点しなければなりません。回答は4択なのが唯一の救いと言えます。

 

ドローン検定の時は、勉強する前に過去問を解いてもそこそこ正解があったのですが、今回は、無線工学の方などはほぼ全問不正解という状態でした。

 

そもそも問題が何を問うているのかちっとも理解できないんですよ。

「周波数fcの搬送波を周波数fsの信号波で、AM変調(A3E)したときの占有周波数帯幅と下側波帯の周波数の組合せで、正しいのは次のうちどれか。」とか、

「電界効果トランジスタ(FET)の電極と一般の接合形トランジスタの電極との組合せで、その働きが対応しているものは、次のうちどれか。」などは、もはや「日本語に似てる言葉だけど何語だろうねー」ぐらいの感覚なのです。

 

図も私をビビらせる要因の一つです。何だか難解で威圧的な雰囲気漂わせているんですよね。

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「図は、振幅が一定の搬送波を単一正弦波で振幅変調したときの変調波の波形である。変調度は幾らか。」などは、図を見た瞬間に「ダメだ〜」っと白旗上げちゃう感じなのです。

 

 

短期決戦!「パブロフの犬作戦」決行!

 

そして、何よりの誤算は風邪をひいてしまったことです。10月6〜8日の3連休は絶好の勉強タイミングだったのですが、すっかり寝込んで何もできませんでした。

 

先日、雨にもかかわらず相模湖ドローンフィールドに行ったせいだなんて全く思ってませんよ。その時にちょくちょく車降りて雨に濡れましたが、それくらいでは風邪なんて絶対ひかないですから。だから、ガソリン代、高速代、入場料かけて行く価値あったのかなとか、病院2回も行ったから診察料と薬代も結構したなとか、その割になかなか治らないよなとか、結局あの日は行かなければこんなことにならなかったかもな、とかっていう発想には全然なってないです。

これはきっとドローンの神様からのプチ試練なんだと思うより仕方ないですね。

でも、こういったプチ試練できればいらないんですよねぇ。普通に受験しても意外と試練なんですから。

 

↓相模湖ドローンフィールドにドローンレースを見学に行ったのに、雨で中止だったお話はこちらです。

 

 

試験まで時間がないので出社前の30〜40分を勉強に割くようにしました。

以前は出社前カフェに立ち寄ってましたが、最近は節約のために近くのホテルのロビーでくつろぐことにしてます。

実はカフェに行くより、よっぽど静かでゆったりとくつろげるということがわかりました。もっと早くからこうしてれば良かったとつくづく思います。

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ただ、フロントの人と掃除のおばちゃんは、「得体のしれないオヤジが毎朝来るようになったなぁ、特に怪しい行動はしないけど目障りだなぁ」と思っている気はします。

更に訳わからん勉強を始めたのですから、もっと気にさわっているのではないでしょうか。

 

まあ、勉強と言っても、正攻法は早々に諦め、内容の理解は置いといて、ある刺激があったら反射的にこれを選べといった、『パブロフの犬的な古典的条件づけ作戦』(略してパブロフの犬作戦)で望むことにしました。

パブロフの犬のように、ある問題を読んだらヨダレを垂らすかのように反射的に答えてしまうといった作戦です。

 

役に立たない脳に見切りをつけ、身体の条件反射のみで試験を乗り越えようという画期的な試みなのです。

オームの法則などをいちいち理解するところからやっていたら、時間がいくらあっても足りないのです。

 

ちなみに、パブロフの実験で面白い話があります。

パブロフの実験とは、犬に餌を与える前にベルの音を鳴らすことで、そのうちベルの音を聞くだけで唾液を分泌するという条件反射の研究ですが、ある日パブロフ教授が助手に

「今日はベルを鳴らしても餌を出さないように。」

と言ったにもかかわらず、ベルがなったら助手は条件反射的に餌を出してしまったらしいです。

はじめに条件づけされたのは犬ではなく助手だったというお話です。本来ならパブロフの犬ではなく、パブロフの助手と呼ばれるのが筋の理論なのであります。

そう考えると今回は、『パブロフの助手』作戦とも言えます。

 

作戦のネーミングはどうであれ、とにかく過去問を繰り返し解いて、答えのパターンを身体に覚えさせねばなりません。

直近3回分の過去問は日本無線協会のHPからダウンロードしました。

公益財団法人 日本無線協会

 

できれば5回分入手したかったのですがダウンロードできるのは3回分だけでした。あとは2年ほど前の過去問を奇特な人のHPから入手し、4回分の過去問で条件づけ開始です。

 

さらに、こういったHPは大いに励みになりました。過去問さえやればかなりの勝率とのことです。少し望みが出てきました。

https://dokugaku.info/rikuzyou_tokusyu_musenngisi_grade2_3/

 

↓このようなちゃんとした真面目な方もいるのに全くお恥ずかしい限りです。

 

しかし、このブログを始めて以来、いやそのずっと前から一度たりともちゃんとしていたことがあっただろうかと思い返し、まずはちゃんとしていない自分を受け入れる事が大切なのだと考えを新たにしました。

まあでも受け入れについては、目前に迫った試験をやっつけてからゆっくり考えようと、条件づけ訓練に突き進んで行くのでした。

 

10月13日、14日の土日はある程度、時間が取れました。風邪はまだ完全に治り切っておらず、鼻をかんだりゴホゴホと咳をしたりしながら頑張りました。

試験まであと土日は来週のみです。果たして間に合うのでしょうか。

今やドローンの練習どころではありません。こっちを何とか片付けないことには落ち着いて練習もしていられないのです。

 

 

10月20日(土)に相模湖ドローンフィードで第3回のドローンレースをやるようです。天気予報では晴れのようですが、さすがに行っている余裕はありません。残念ですが今回は見合わせです。

 後日、なにげなくJDRA(日本ドローンレース協会)のFacebookを見たところ、10月7日(日)に雨天中止だった第2回大会を実施したようでした。その様子の動画がアップされてました。

 『なるほどなるほど、翌週やったのね。こんな感じなのか。イベント用のテント張るのね。よく晴れた絶好のレース日和だな。人がたくさんいるなぁ』

 動画の最後に第3回のお知らせが出ました、

 『あれ、第3回は11月11日開催だって。10月20日じゃなかったの。10月20日ってどこから出てきたんだよ。どこかで見たんだよな。あぶねー、無理して行かないでよかったー。行ってたらまたひとりぼっちだったよ』

本当にあぶなかったです。また、一人寂しくピヨ彦になるところでした。

 

ギリギリで危機を回避し、20日、21日の土日はパブロフの犬作戦を進められました。

出題攻撃パターンもだいぶ見えてきており、初めはチンプンカンプンだった用語にもだいぶ慣れ、理解はしてないのですが4回分の過去問ならほぼ解けるようになってきました。

「スーパーヘテロダイン受信機…」とか出題されても、『あー、スーパーヘテロダインね』と全く動じなくなりましたが、それが何なのかはちっともわかってないと言った感じです。

 

 

ついにやってきました、試験日が。天気晴朗なれども…

 

2018年10月24日(水)、試験当日はよく晴れ、空気も澄み、まさに秋晴れと言える気持ちのいい日でした。

試験会場の日本無線協会本部は、大江戸線「勝どき」駅下車し、徒歩10分程の所にあります。

スマホを見ていたら乗り越して「清澄白河」まで行ってしまいました。緊張感まるでなし、嫌な予感です。

 

早めに自宅を出発して良かったです。試験開始は11時からですが、(電車を乗り過ごしても)10時前には会場すぐそばのトリトンスクエア内にあるマックに到着。コーヒー飲みながら参考書をパラパラ見ていると、そばにも数人それらしき人がいます。

 

ちょっと脱線(「みちびき」運用に期待せり)

 

40分前に会場に移動しました。Google MAP見ながら歩いたのですが、位置に結構ズレがあります。

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『この誤差も、日本版GPSといわれる準天頂衛星システム「みちびき」の運用が始まれば、その誤差数センチとなるのかぁ。楽しみだなあ。』

本当なら4月に運用開始だったのに11月に延期されてましたので待ちに待った感じです。

iPhoneは7以降が対応だからオレの7Plusもほぼ誤差なしになるんだろうな。今はまだ衛星4機だけど、2023年に7機体制になったら世界変わるんだろうなー。ドローンも自動航行当たり前になってるだろうし。まあ、でもどんな時代になっても最後は人ですよ、手動操縦ですよ。』

 

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試験会場到着!ついに始まる決戦の時! 自信あったんです…

 

そうこうするうちに会場に到着。他の無線技士の試験は始まってたり既に終わってたりなので、ビルの前にはすでにざわざわと人がいます。

この会場での二陸特(第二級陸上特殊無線技士)受験者は今回270名のようです。

 

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中年男性の中に、ちらほら女性や中学生と思われる男子も混じっています。私の隣は賢そうな中学生でした。

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教室の席はどこに座ってもよく、何ともアバウトで好感持てます。

15分前から説明開始で、問題とマークシートが配られるのですが、とことんアバウトだと思ったのは、問題用紙を裏にして配ってるのですが、裏にも問題が書いてあるので普通に裏の問題が読めちゃうことです。

「皆さん、問題2枚とマークシート1枚ありますか。問題は表と裏がありますので確認してください。開始まであと5分ありますので、始まるまで問題は横に置いておいてください」

と説明あるんですが、横って言っても普通に見えてますし、周りみると皆ガン見してますし、5分前に既に試験始まってるんじゃないかなぁという感じです。

「5分くらい、大勢に影響ないでしょ」と言わんばかりです。

「はい、それでは始めてください」

実質5分前に始まってますが、正式に始まりました。

 

まずは「法規」問題からです。

概ね順調に進みました。パブロフの犬作戦の効果大です。見たことある問題に、反射的にヨダレを出すかのように次々と解答していきます。

『これはいけそうだな。ちょっと心配しすぎだったな。』

 

しかし、「無線工学」に移ると状況は一変します。

『何だこれ、見たことないぞ』『あー、参考書で見たかもなーこの問題』『さっきマックでチラ見したよコレ。なんだっけかなー、よく見とけばよかったー。コレもコレも。』とビズリーチの社長のような状態になってしまいました。

 

結局、わからない問題が5問もありました。間違えられるのは4問までです。5問間違えたら不合格決定です。

 

『これは完全マズイ。全ハズシだと不合格だよ。しかしなー、考えたらわかるって問題じゃないしな。パブロフ作戦の限界きたよ。全くヨダレ出ないよー。あとは運にまかせるしかないのかー。』

 

今回も30分経過すると退席オッケーです。続々と退席していきました。隣の秀才中学生も退席するようです。

『お前もかー』

私はというと、わからない5問以外にケアレスミスはないか慎重に見なおした後、最終手段である『儘よ作戦』に打って出ました。

その作戦とは、ジーッと4択を見て、薄っすらと浮かび上がってきた番号に、『エーイ、ままよ!』と思い切ってマークする究極の作戦です。

『キツイ、キツ過ぎるこの作戦。ホントにフォース頼みだよこれじゃあ』

 

 

答えあわせの果てに…

 

必要以上に変な力を使いフラフラになって会場をあとにしたのでした。

 

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その辺のベンチにへたり込み、全くわからなかった5問をさっそく確認しました。

「あー、なんだよコレかよ、外れたなー。これもダメかー。これなー、マックでチラ見したんだけどなーダメかぁ、コンチクショウ」

内言では処理しきれず、独り言というにはあまりにも大きな声で悔しさをあらわにしました。

「ヨッシャー!1問当たった。フォースきたー!間違いギリ4問ですんだぞ。」

立ち上がり喜びました。しかし、

「う〜ん、これ以外にケアレスミス1問でもあったらアウトだな。」

 

不安が解消されないまま大江戸線に揺られ新宿で下車しフラフラと階段を登っている時に、帽子をどこかに忘れていることに気がつきました。

『かなりメンタルやられてるな。どこに忘れたかなぁ。会場だろうか。』

ヅラ代わりにもなっている帽子を忘れて歩いているとは相当重症です。

仕方なく会場まで戻ることにしました。

 

事務所に行って尋ねると、技術者風の男性が

「ちょっと待っててくださいね。今試験中なのでね、私が見てきますから。」

他の試験監督にも伝言が回り、試験中にもかかわらず教室に潜入し探してくれました。

しかも、別の教室の人まで「ありましたかー」「いや、こちらはないです」と。

 

先ほどの方が教室から出てきて、

「う~ん、見あたらないですねぇ。出てきたら連絡しますので連絡先書いてもらえますか」「すいません、恐縮です」とやっている時に、別の方が

「ありましたよー!」と教室から飛び出てきました。

隣の教室の女性試験監督からも「本当に良かったですね」と言われ、

「皆さん、ありがとうございました。お手数をおかけしました。」と恐縮し、色褪せた帽子をかぶってそそくさと会場をあとにしたのでした。

 

『それにしても、皆随分といい人達だったな。やはり理系の人の方が、人として優れてるのかもしれんなぁ、知性があるんだなきっと』などと、トボトボと歩きながら考えていましたが、はたして無線協会の人達が全て理系で技術者なのかは定かではありません。

 

再び新宿に降り立ちましたが、落ち着かないのでカフェに入り、早速残りの問題の答え合わせをしました。もう本当にドキドキです。

 

まずは、ヤバい「無線工学」からです。

一問一問慎重に確認しました。さっき確認した4問以外は正解だと思います。たぶん40点、ギリ合格かと。

次は「法規」です。こっちは余裕で大丈夫だろうと思ってましたが、3問も間違えており45点。まあでもこちらもギリ合格かと。

答え合わせが間違えていなければですが。

発表があるまで確証は持てませんが、確実に不合格でないことは確かです。まあ一安心ですね。

 

それにしてもホントにあぶなかった。

フォースゼロですよ。

 

 

戦いすんで日が暮れて

 

『まあ、でも一応終わったし、ひとり打ち上げでもするか』

今日は妻が仕事で遅くなるので夕飯はどこかですませることになってました。いつの間にかあたりはすっかり日が暮れています。

『でも、疲れたから家に帰ってやろ』

気がつくと、カップ焼きそば(ごつ盛りソース焼きそば)、千切りキャベツ(袋入り)、おつまみスナック(カルビークラッツ)、ビール(ロング缶)という、わけのわからない組み合わせが入った袋をぶら下げて歩いていました。

 

選びに選んでなぜメインディッシュが「カップ焼きそば」なのか、「カルビークラッツ」など今まで一度たりとも買ったことないですし、そもそも袋入りの「千切りキャベツ」と言うのが一番わかりません。打ち上げにはもっとも似つかわしくない一品ではないでしょうか。

 

『なんだか今日はひどく疲れたなー。これからは、取りあえずで試験を受けるのは止めよう』

と考えながらひとりグビッとビールを飲むのでした…。

 

 

<追記>合格発表

 

11月14日、合格発表がありました。

無事合格しており、ホッとしました。

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あとは、関東総合通信局に免許申請をすれば、晴れて「第二級陸上無線技士」免許が取得できます。

収入印紙1,750円の貼り付け、免許証返信用封筒(簡易書留)、住民票の写し等が必要なようです。


申請後、およそ1ヶ月で免許が届きました。

平成元年に取得したアマチュア無線免許は、パウチ加工でちゃちな作りですが、二陸特はちゃんとしたカードになってました。

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何はともあれ、無事、免許取得できました!